まだ幼いころは、サンタクロースの存在をひたむきに信じていた。
毎年、毎年、サンタクロースは、 僕のために僕の欲しいものをもって わざわざどこか遠い国からやってくる。 そう信じて疑わなかった。 『いい子にしていないと 今年はサンタさんこないよ!』 両親にそう言われるとサンタさんが来てくれないこと思い、 ひたむきに言いつけを守っていい子にした。 でも、幼い僕たちも・・・少しずつ成長するとサンタクロースの存在が、 その正体が必ず友達のなかで話題になる・・・ サンタの正体は・・・ 『お父さん・お母さん』 少しがっかりした・・・でもなんとなく 分かっていた・・ いつの日かサンタさんが来てくれたことは あたりまえ化し、今もなお両親にその感謝を伝えていない。 このブログは、 サンタライダーたちの10年と この日、起こした子供たちの小さな冒険と奇跡を 記録するために記録簿として書いていきます・・・。 小高い丘の上にある、あのホームに サンタが来るようになったのは今から10年前。
2009年12月23日。
施設のクリスマスパーティーに
サンタクロースがバイクに乗って、突然現れた。
戸惑いながらも・・・私たちを歓迎してくれた子供たち。
短い時間だけど、
1年に一度の子供たちとの交流を深めた
僕たちは、
そんな彼らとのつながりを本物にしようと
ただひたむきにあの丘を目指し何度も走った。
あれから10年、
ホームにはもちろん卒園した子供たちもたくさんいて、
中には親元に帰った子供もいると聞く。
おそらく新しい両親に出会えた子供たちもいるかもしれない。
施設のクリスマスパーティは、
毎年12月23日と決まっていてその行事の準備などもあり、
私たちサンタライダーにとってのこの10年は、
この小さな子供たちの成長と共にある、
しかし逆に言えば、ある時から私たちを最初に歓迎してくれた
「あの子たち」が、
中学生、高校生の高学年になると会うことがなくなった10年でもある。
つまり、
サンタライダーは、
私たちが幼いころサンタの正体を優しく教えてくれたりバラシてくれた
「父親や母親」のように、
『まだ正体をバラしていない・・・』
ホームのこの子たちには、
サンタの正体をバラしてくれる両親がいない。
2018年9月8日
今年の12月に10年目を迎えるサンタライダーは
『この10年の節目にサンタライダーの正体をバラす!』
それは、
つまりホームの高学年の子供たちに、サンタクロースの衣装を脱いだ
「素サンタ」を見てもらおうということ。
君たちは、当然気が付いていた・・・
サンタクロースがバイクに乗ってくるわけがないと、
でもそれを君たちの気持ちの中で
「サンタクロース」だと信じて私たちを迎え入れてくれた。
そろそろ、サンタクロースは、
よくある普通の家庭のようにその正体をバラす時がやってきたのだ・・・
半信半疑で、戸惑いを見せながらも私たちを受け入れてくれた君たち、
今度は私たちが、その衣装を脱いで
「一人の大人と子供たち」
という、
ごくごく当たり前の社会構造で、
つながりや交流を深め、信頼関係と、絆、
そして信じるという言葉の意味を共有するのだ。
施設の職員さんが言う・・・
「彼らは基本、大人を信じていない」
この世の中で、
最も大切な人から裏切られたり、大切な人を失ったり、
私たちの想像では計り知れない悲しみや苦しみを
彼らはその小さな心の中で乗り越えてきた。
その経緯の中で大人を信じないという気持ちが芽生えるのは、
致し方ない事かもしれない、
でも、私たち素顔になったサンタライダーは、
その深くて冷たいものにあえて正面からぶつかって
その固い扉を少しでも開いてもらいたい・・・
そんな強い意思をもって
サンタライダーは衣装を脱ぎ
『第1回サンタライダーサマーキャンプ』
は動き出しました。
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